鷺の停車場

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映画「浅田家!」

映画「浅田家!」(10月2日(金)公開)を観ました。

木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家・浅田政志の著書「浅田家」「アルバムのチカラ」を原案に構成した作品で、監督は中野量太。中野監督は菅野友恵とともに脚本も担当しています。

中野監督の作品は、以前「湯を沸かすほどの熱い愛」をDVDで観てけっこう良かった記憶があって、本作も気になっていました。映画情報サイトでの口コミも概ね高評価なので、観に行くことにしました。

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来たのはアリオ柏にあるTOHOシネマズ柏。週末の朝早くの時間帯、ロビーにはそこそこのお客さんがいました。

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この日の上映スケジュール。残席が少なくなっている上映回もありました。

スクリーンの入口では、先月と同様、スタッフがサーモグラフィで入場者の体温をチェックしていました。

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上映は308+2席のこの映画館最大のスクリーン6。公開2週目の週末、お客さんは2~30人くらいでした。

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公式サイトのストーリーによれば、

 

幼いころ、写真好きの父からカメラを譲ってもらった政志(二宮和也)は、昔から写真を撮るのが大好きだった。そんな彼が、家族全員を巻き込んで、消防士、レーサー、ヒーロー、大食い選手権……。それぞれが“なりたかった職業”“やってみたかったこと”をテーマにコスプレし、その姿を撮影したユニークすぎる《家族写真》が、なんと写真界の芥川賞木村伊兵衛写真賞を受賞! 受賞をきっかけに日本中の家族から撮影依頼を受け、写真家としてようやく軌道に乗り始めたとき、東日本大震災が起こる―― 。
かつて撮影した家族の安否を確かめるために向かった被災地で、政志が目にしたのは、家族や家を失った人々の姿だった。
「家族ってなんだろう?」
「写真家の自分にできることは何だろう?」
シャッターを切ることができず、自問自答をくり返す政志だったが、ある時、津波で泥だらけになった写真を一枚一枚洗って、家族の元に返すボランティア活動に励む人々と出会う。彼らと共に《写真洗浄》を続け、そこで写真を見つけ嬉しそうに帰っていく人々の笑顔に触れることで、次第に《写真の持つチカラ》を信じられるようになる。そんな時、一人の少女が現れる。
「私も家族写真を撮って欲しい!」
それは、津波で父親を失った少女の願いだった―― 。

 

・・・というあらすじ。

主人公の浅田政志は二宮和也。やんちゃな弟・政志を温かく見守る心優しい兄・幸宏を妻夫木聡、政志・幸宏の両親を平田満風吹ジュン、政志の幼なじみの若奈を黒木華、写真洗浄のボランティアで出会う東北の大学院生・小野を菅田将暉、美智子を渡辺真起子、幸宏の妻・和子を野波麻帆といった主要キャスト。

 

予想を裏切らないいい作品でした。

「湯を沸かすほどの熱い愛」と比べると、元の題材の違いもあってか、特に前半はコミカルな要素が多めですが、写真家として仕事を始めるようになってからはシリアス寄りになって、目頭が熱くなる展開。硬軟両方の要素を盛り込みながら、全体をヒューマンドラマとしてうまくまとめているところは、監督の巧さを感じました。

主演の二宮和也は俳優としてシビアに見ればまあまあの出来という感じでしたが、やんちゃな政志の空気感は良く出ていました。両親役の平田満風吹ジュンを始め周りの主要人物を演じた実力ある俳優陣はさすがで、演技で違和感を感じるようなことはなく物語に入っていくことができました。