鷺の停車場

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映画「日本沈没2020―シズマヌキボウ―」

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仕事帰りに、再びTOHOシネマズ日比谷に映画を観に行きました。

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上映スケジュール。

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観に来たのは、「日本沈没2020―シズマヌキボウ―」(11月13日(金)公開)。TOHOシネマズを中心に、全国48館と小規模の公開。

夜明け告げるルーのうた」などの湯浅政明監督の作品ということで、公開前から観たいと思っていました。全国48館と小規模の公開、すぐに上映が終わってしまいそうな気がして、うまく都合が合った公開初日に観に来ました。

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上映は98+2席のスクリーン2。この日は1席ずつ間隔を開けての販売でしたが、お客さんは10人ほど。あまり宣伝されてなかったように思いますが、公開初日の都心のスクリーンでの上映としては、かなり少ないのではないでしょうか。

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(チラシの表裏)

1973年に刊行された小松左京の小説を原作に、今年の7月からNetflixで独占配信された全10話のアニメーションを劇場公開用に再構築した作品とのこと。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

2020年、平和な日常が続く日本を襲った突然の大地震

都内に住むごく普通の一家、武藤家の歩(あゆむ)と剛(ごう)の姉弟は、大混乱の中、家族4人で東京からの脱出を始めるが、刻々と沈みゆく日本列島は、容赦なく彼らを追い詰めていく。極限状態で突きつけられる、生と死、出会いと別れの選択。途方もない現実と向き合う中、歩と剛は、未来を信じ、懸命に生き抜く強さを身につけていく…

 

というあらすじ。

 

主要キャストは、

  • 陸上部で将来を期待されている中学3年生・武藤歩:上田麗奈
  • 歩の弟でe-スポーツでのオリンピック出場を夢見る小学2年生・武藤剛:村中知
  • 歩と剛の母でフィリピン出身、元水泳選手の武藤マリ:佐々木優子
  • 歩と剛の父で照明技師の武藤航一郎:てらそままさき
  • 歩の憧れだった陸上部の先輩・古賀春生:吉野裕行
  • 武藤家の近くに住み、歩が姉のように慕っている三浦七海:森なな子
  • 歩たちが途中で出会う有名なユーチューバー・カイト:小野賢章
  • 歩たちが途中で出会うスーパーの店主・疋田国夫:佐々木梅治
  • 歩たちが途中で出会うユーゴスラビア出身のヒッチハイカー・ダニエル:ジョージ・カックル

など。

 

原作小説はヒット作で、実写映画化されたことがあることも知っていますが、いずれも未読・未見の状態で本作を観ました。

ネット配信版は見ていませんが、通常の30分枠のテレビアニメだと、CMやエンドロール、次回予告などを除いた本編部分は20分強ですから、仮に同じくらいだとすると、全10話の本編部分を足し上げると、200分くらいになるはず。本作は151分ということなので、4分の1くらいをカットして編集している計算になりますが、それでもけっこうな長さです。

物語の大きな骨格は原作を踏襲しているのでしょうけど、ディテールは50年近い時代の経過を反映して、大きくアレンジしているようです。母親がフィリピン出身で歩と剛がハーフという設定も、当時と比べ多様性が増している変化を踏まえてのものなのだろうと推測します。

冒頭から30分ほど、タイトルロールが出てくるまでの間に描かれる、大地震の描写は、リアリティをもって迫る感じがありました。阪神・淡路大震災東日本大震災で記録された様々な映像が役立っているのだと思いますが、これはアニメでなければ描けない迫力。

その後は、沈没していく場所から逃れようと、西へ逃げていく歩・剛たちが描かれます。次第に追い詰められていく過程は、真綿で首を絞められるような緊迫感がありました。

現実離れした展開や、湯浅監督らしいといえばらしいハチャメチャ感のある描写、新興宗教のようなコミュニティ「シャンシティ」のパートなど中だるみ感を感じる部分もあり、劇場版の作品としてはやや冗長な感じもありましたし、ラップで本音を語らせるシーンなど随所にあった湯浅監督らしい(と個人的に思う)演出も、かえって全体の求心力を削いでいる感じがしたのはやや残念でしたが、全体としてはそれなりに良かったと思います。

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ところで、スクリーンの入口で入場者特典のポストカードをいただきました。後で公式サイトを見てみたら、初日限定入場者プレゼントの「激レア原画ポストカード」でした。おそらく最後のシーンの原画だろうと思います。予想外のプレゼントは、ちょっと得した気分になりました。