鷺の停車場

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アニメ映画「夏へのトンネル、さよならの出口」

休日の朝、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。


朝9時過ぎの時間帯、既に朝一番の上映回の多くが始まっていることもあって、ロビーのお客さんは少なめでした。


この日の上映スケジュール。21作品・30種類の上映が行われていました。


この日観るのは「夏へのトンネル、さよならの出口」(9月9日(金)公開)。


上映は125+2席のスクリーン4。お客さんは20人ちょっとという感じでした。


チラシの表裏。


以前に配布されていた別バージョンのチラシ。


小学館ガガガ文庫」から刊行されている八目迷の同名のライトノベルを原作に、劇場アニメ化した作品だそうで、原作イラスト・キャラクター原案:くっか、主要スタッフは、監督・脚本・絵コンテ・演出:田口智久、キャラクターデザイン・総作画監督:矢吹智美、アニメーション制作:CLAPなど。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。
ただし、それと引き換えに……

掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。

これは、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。

 

・・・というあらすじ。

 

主な登場人物は、

 

  • 塔野 カオル【鈴鹿 央士】:田舎町の高校二年生。父親と二人暮らし。幼少期のある出来事がきっかけで心に葛藤を抱えている。ひょんなことから願いを叶えるというウラシマトンネルの存在を知る。

  • 花城 あんず【飯豊 まりえ】:東京からきた転校生。容姿端麗で頭脳明晰。転校初日にクラスで浮いた存在となるが、ある出来事をきっかけに、カオルと共にウラシマトンネル探索の協力関係を結ぶ。

  • 加賀 翔平【畠中 祐】:同じクラスのカオルの友人。

  • 川崎 小春【小宮 有紗】:同じクラスの生徒。あんずに目をつける。

  • 浜本先生【照井 春佳】:クラスの担任。

  • カオルの父【小山 力也】:カオルの父。

  • 塔野 カレン【小林 星蘭】:カオルの妹。

など。

 

ネタバレになりますが、記憶の範囲でもう少し詳しめにあらすじを記すと、

 

高校2年生の塔野カオルは、役所務めの父親と二人暮らし。幼い頃、家族思いの妹カレンが、喧嘩してしまったカオルのためにカブトムシを取ろうとして木から落ちて亡くなり、その後母親は家を出て行き、家族が壊れてしまった過去があり、カオルはそれを心の傷として抱えていた。
カオルが駅で偶然に出会った花城は、同じクラスに転校生として入ってくるが、誰に話しかけられても芯の通った態度でバッサリ斬り捨て、その態度を快く思わず挑発する川崎を殴るなど、周囲に溶け込もうとしない。
そんなある日、カオルは偶然に不思議なトンネルを見つける。トンネルを進んでいくと、カオルはカレンが履いていたサンダルと、以前飼っていたインコを見つけるが、家に戻ると、一週間が過ぎていた。カオルは、そのトンネルが、ほしいものがなんでも手に入るが、それと引き換えに浦島太郎になってしまう、と噂されている「ウラシマトンネル」だと確信し、カレンを取り戻したいと考える。
一方、そんなカオルを見かけた花城は、そのトンネルを調査してほしいものを手に入れるために共同戦線を結び、2人は協力してそのトンネルを調査し始める。7月の3連休、108秒で戻ってくれば連休の間に戻れるとトンネルに入ると、マンガの原稿が出てくる。花城はそれを必死にかき集めて戻る。それは、かつて花城が描いて祖父に見せ、両親がビリビリに破り捨てたマンガの原稿だった。花城の両親は、売れない漫画家だった祖父を快く思っておらず、花城が漫画を描くことも強く反対し、花城の頭を冷やそうと地方の高校に転校させたのだった。しかし、花城は漫画家を目指し、後世に残るマンガを描きたい、そのためにトンネルに入って特別な才能を手に入れたいとカオルに語る。しかし、花城が描いたマンガの原稿を読んだカオルは、花城には才能があると感じる。
2人は、ほしいものを手に入れるためにトンネルに入る決行日を決めるが、その直前、花城が送ったマンガを読んだ編集者から連絡が入り、花城は心が揺らぐ。カオルは決行の延期を提案するが、花城には黙って1人でトンネルに入っていく。それを知った花城は、取り残されたことに憤ってメールを送るが、カオルから届いたメールには、トンネルは失くしたものを取り戻せるもので、特別な才能は手に入らない、花城には才能がある、マンガを描いてほしいと記されていた。
一方のカオルは、トンネルを進んで行くと、家の玄関が現れる。その中に入っていくと、亡くなった当時のカレンがいた。カオルはしばし幸せな時間を過ごすが、そこに花城からのメールが届く。現実の時間がどんどん進んでいることを知ったカオルは、花城が好きなことを自覚し、カレンの後押しも受けて、トンネルを走って戻る。
13年後、漫画家になっていた花城は、好きだったカオルのことが忘れられず、当時の携帯電話を大切に持っていた。連載を休み、カオルと初めて出会った駅にやってきた花城は、カオルを思い出して号泣する。そこに、カオルからのメールが入る。花城は急いでウラシマトンネルまで走り、中に入っていくと、カオルが倒れていた。目覚めたカオルと花城は、互いの思いを伝え合い、キスをする。

 

・・・という感じ。

原作は未読で、あまり期待しないで観始めたのですが、爽やかな余韻が残るいい作品でした。絵も綺麗で、映像の美しさが印象的でした。


なお、入場者特典で、原作者・八目迷の短編「さよならのあと、いつもの入口」がいただけました。観終わってから読むと、東京で一緒に暮らすようになった二人の映画本編の後日談でした。