鷺の停車場

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映画「よだかの片想い」

仕事帰りに、池袋駅西口、ルミネ池袋の8階にあるシネ・リーブル池袋に行きました。


この映画館に来るのは、昨年の初めにアニメ映画「FUNAN」を観に来て以来、2度目です。


この日の上映スケジュール。

観るのは「よだかの片想い」(9月16日(金)公開)。


上映は、130席のシアター2。お客さんは、20人ほどでした。


チラシの表裏。

島本理生の同名小説を原作に実写映画化した作品だそうで、監督:安川有果、脚本:城定秀夫などの主要スタッフ。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

自分と距離を置くアイコ。まっすぐ心に入ってくる飛坂。
近づくほどに苦しくて、遠のくほどに愛おしい――。

理系大学院生・前田アイコ(松井玲奈)の顔の左側にはアザがある。幼い頃、そのアザをからかわれたことで恋や遊びには消極的になっていた。しかし、「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにしたルポ本の取材を受けてから状況は一変。本の映画化の話が進み、監督の飛坂逢太(中島歩)と出会う。初めは映画化を断っていたアイコだったが、次第に彼の人柄に惹かれ、不器用に距離を縮めていく。しかし、飛坂の元恋人の存在、そして飛坂は映画化の実現のために自分に近づいたという懐疑心が、アイコの「恋」と「人生」を大きく変えていくことになる・・・。

本作は、アイコと飛坂との恋愛を切ない距離感を感じるラブストーリーのみならず、アイコが自分の人生と向き合い、前に進んでいく様をも繊細に描き出す。そんなアイコの姿は、誰もが抱える弱さと響き合い、その弱さを新しい視点で見直し、アイコと共に一歩前へ踏み出す力を与えてくれるはずだ。世代や性別を超えて幅広く、静かに、でも確かに、心に響く傑作が誕生した。

 

・・・というあらすじ。

 

公式サイトで紹介されている主要キャストは

  • 前田 アイコ【松井 玲奈】:工学部の修士課程で研究に取り組む女性。顔の左側にアザを持っている。

  • 飛坂 逢太【中島 歩】:映画監督。アイコのルポ本を映画化しようとする。

  • ミュウ先輩【藤井 美菜】:研究室の仲間。ラテンダンスのサークルに入っている。

  • まりえ【織田 梨沙】:出版社に勤めるアイコの友人。アイコの話を書籍化した。

  • 原田【青木 柚】:研究室の後輩。密かにアイコに好意を抱いている。

  • 城崎 美和【手島 実優】:女優。飛坂のかつての恋人で、飛坂が撮る映画で主役の顔にアザを持った女性を演じる。

  • 池谷【池田 良】:飛坂が手掛ける映画のプロデューサー。

  • 安達【三宅 弘城】:アイコの研究室の教授。

という感じ。

 

顔にアザがあることで、コンプレックスを抱えて生きてきた女性が、自分を取り上げた本の映画化に取り組む映画監督との出会いと恋愛を経て、自分の生き方を見つけていく物語。センシティブなテーマとも思えますが、その重たさを殊更に感じさせることなく、温かく爽やかな余韻が残る、いい作品でした。作中では、宮澤賢治の童話「よだかの星」が効果的に使われています。主役の松井玲奈も、凛としたたたずまい、そして抑えた演技が印象的でした。