鷺の停車場

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テレビアニメ「薬屋のひとりごと」①第1話~第4話

2023年秋クールで日本テレビで放送が始まった「薬屋のひとりごと」、こちらも気に入って見ています。

kusuriyanohitorigoto.jp

2011年10月から小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載され、2014年から主婦の友社の「ヒーロー文庫」で文庫本が刊行されている日向夏さんの同名ライトノベルを原作にアニメ化した作品で、主要スタッフは、キャラクター原案:しのとうこ、監督・シリーズ構成:長沼 範裕、キャラクターデザイン:中谷 友紀子、アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLMなど。

公式サイトの紹介によれば、

大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。名前は、猫猫(マオマオ)。花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。

・・・という物語。

 

まずは、第1話から第4話までを紹介します。

 

公式サイトで紹介されている主要登場人物・キャストは、次のとおりです。< >内がそれぞれのキャラクターが登場する放送回です。

  • 猫猫(マオマオ)【悠木 碧】:花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働きをしている。毒と薬に異常に執着を持つ。元来の好奇心と正義感から、とある事件に関わったことで運命が一変する。<第1~4話>

  • 壬氏(ジンシ)【大塚 剛央】:後宮で強い権力を持つ宦官。もし女性だったら傾国と言われるほどの美形。とある事件をきっかけに猫猫の「実力」に気づき、皇帝の寵妃の侍女に抜擢する。<第1~4話>

  • 高順(ガオシュン)【小西 克幸】:壬氏のお目付け役の武官。マメで気が利き仕事ができ、信頼が厚い。猫猫曰く「癒し系」。後宮では壬氏同様、宦官として任務にあたる。<第1~4話>

  • 玉葉(ギョクヨウヒ)【種﨑 敦美】:最も皇帝の寵愛を受けていると言われる上級妃・四夫人の一人。ある事件をきっかけに猫猫を侍女に迎える。<第1~4話>

  • 梨花(リファヒ)【石川 由依】:現帝の妃で四夫人の一人「賢妃」。後宮内で噂される「呪い」で御子を亡くし、自らも病に伏してしまっている。病のためやつれているが、本来は玉葉妃とは対象的な雰囲気の凛とした妃。<第1・4話>

  • 里樹妃(リーシュヒ)【木野 日菜】:現帝の四夫人の一人「徳妃」。幼い故に自身の振る舞いはもちろん、後宮の風習やしきたりの知識が浅い。そのため侍女たちからも軽んじられてしまっている。(注:第4話までには登場してきません)

  • 阿多妃(アードゥオヒ)【甲斐田 裕子】:現帝最初の妃で四夫人中最年長の「淑妃」。中性的な雰囲気で、男装の麗人のような振る舞いが後宮内で人気を誇る。里樹妃とは先帝の時代から関わりがある。(注:第4話までには登場してきません)

  • 小蘭(シャオラン)【久野 美咲】:後宮の下女で猫猫と仲が良い。噂好きでおしゃべり。学はないが向上心を持つ一面も。<第1~4話>

  • 李白(リハク)赤羽根 健治】:若い武官で猫猫曰く出世株。武官らしく鍛え上げられた肉体を持つ。お人よしだが、自分の信念を貫く真っ直ぐな性格の持ち主。(注:第4話までには登場してきません)

 

公式サイトで紹介されている以上の9人のほか、第1話から第4話までに出てくる、名前が付いている登場人物・キャストは、次のとおりです。< >内がそれぞれのキャラクターが登場する放送回です。

  • 紅娘(ホンニャン)【豊口 めぐみ】:玉葉妃の侍女頭。<第1~3話>

  • 桜花(インファ)【引坂 理絵】:玉葉妃の侍女。<第1~4話>

  • 貴園(グイエン)【田中 貴子】:玉葉妃の侍女。<第2~4話>
  • 愛藍(アイラン)【石井 未紗】:玉葉妃の侍女。<第2~4話>

  • やぶ医者【かぬか 光明】:後宮医官を務める宦官。<第1~3話>

  • 羅門(ルオメン)【家中 宏】:猫猫が「おやじ」と呼んで慕う養父。<第1・2話>

  • やり手婆【斉藤 貴美子】:老舗の妓楼「緑青館」の女主人。昔は緑青館きっての妓女だったらしい。<第1話>

  • 梅梅(メイメイ)【潘 めぐみ】:緑青館の三姫と言われる妓女。<第1・2話>
  • 白鈴(パイリン)【小清水 亜美】:緑青館の三姫と言われる妓女。<第1・4話>

  • 女華(ジョカ)【七海 ひろき】:緑青館の三姫と言われる妓女。<第1話>

  • (シン)【木下 紗華】:梨花妃の侍女頭。<第1話>

  • 皇帝【遠藤 大智】:現帝。<第3・4話>

  • 芙蓉妃(フヨウヒ)【川井田 夏海】:武官への下賜が決まった中級妃。<第3話>

 

各話ごとのあらすじは、次のとおりです。< >内が公式サイトのストーリーで紹介されている内容になります。

#1『猫猫』

<花街で薬屋を営む猫猫は、人さらいにかどわかされて後宮に売られ、下女として働くことになった。ある日、“帝の御子の連続死は「呪い」のせい”という噂を聞く。呪いの正体を推理した猫猫が妃たちが暮らす宮へ行くと、上級妃の二人が言い争う声が聞こえてきた。好奇心と知識欲が旺盛で「薬」「毒」と聞くと気持ちが昂る猫猫は、動き始める。>

花街で薬屋を営む羅門と暮らす猫猫。羅門に頼まれ高級妓楼の緑青館(ろくしょうかん)に薬を届けた帰り、畑に薬草を摘みに寄ったところで人さらいに遭ってしまう。その頃、雪が降る後宮では、梨花妃が男の子を生み、玉葉妃には女の子が生まれていた。

3か月後、後宮に売られていた猫猫は洗濯係の下女として働いていた。悪目立ちせず大人しく働けば2年で年季が来て出られると思う猫猫だったが、仲良くなった下女仲間の小蘭から、後宮に美しい宦官がいること、そして、今まで生まれた帝の子が3人も続けて弱って亡くなったのは呪いのせいだと噂になっている、息子が生まれた梨花妃は母子ともに具合が悪く、頭痛や腹痛、吐き気に苦しんでいると聞かされる。

話半分で聞いていた猫猫だったが、その原因を推理し始め、興味を抱いて上級妃たちが暮らす宮に足を向けると、上級妃の玉葉妃と梨花妃が言い争っている現場に出くわす。玉葉妃は、梨花妃にかかり切りの医官に自分の娘も見てほしいと懇願するが、息子の具合が悪いのは玉葉妃のせいだと疑う梨花妃は取り合わない。げっそりと痩せ、不自然に白い梨花妃の肌を見た猫猫は、原因が毒を含んだ白粉だと確信し、それを2人にどう伝えようと考えるが、ぶつぶつ言いながらその場を離れる猫猫を美貌の宦官・壬氏が目に留める。その後、梨花妃は窓辺に布切れが結ばれたシャクナゲの枝が置かれているのを見つけるが、それを手にすることはなく、それから1月もしないうちに、梨花妃の息子は亡くなってしまう。

その後、玉葉妃のもとに壬氏が訪ねてきていた。壬氏は、なぜ玉葉妃の娘が回復したのか尋ねると、梨花妃との言い争いがあった後「おしろいはどく あかごにふれさすな」と書かれた布の切れ端がシャクナゲの枝に結ばれて窓辺に置いてあったことを話し、これを書いたのは誰か探してほしいと頼む。壬氏は、言い争いのときに目に留めた下女ではないかと考える。

猫猫が小蘭と話していると、宮官長の部屋に来るようにと呼び出される。猫猫が向かうと、下女たちが集められていた。姿を現した壬氏に、集まった下女たちはうっとりするが、壬氏はその場で「そこのソバカス女 お前は居残りだ」と筆で紙に書き集まった下女たちに見せて、その場を解散する。文字が読める猫猫は動揺し、この場で文字が読めるのは自分だけだ、早く逃げなければと思うが、壬氏は動揺する猫猫を見逃さずに捕まえ、玉葉妃のもとに連れていく。

何を咎められるのか不安に思いながら玉葉妃の前に来た猫猫は元気になった娘を見てホッとする。娘の命の恩人と感謝する玉葉妃に、最初はかかわりあいになりたくないとシラを切る猫猫だったが、壬氏の厳しい追及に、諦めて真相を話す。玉葉妃は、他のおしろいより白さが目立つと毒が入ったおしろいを使っていた娘の乳母が体調を崩したことを話し、無知は罪ですね、と口にする。私は何をすればよろしいのでしょうか、と言う猫猫を、玉葉妃は自分の侍女にする。

その頃、近隣のある村では、野営する兵士たちが次々と毒に倒れる事件が発生していた。

 

原作小説では、シリーズ第1巻「薬屋のひとりごと」所収の「一話 猫猫」「二話 二人の妃」「三話 壬氏」「四話 天女の笑み」「五話 部屋付」に対応する部分になっています。

#2『無愛想な薬師』

<猫猫は「呪い」の正体を見抜いたことを美貌の宦官壬氏に知られ、薬師としての知識を買われて上級妃である玉葉妃の侍女兼毒見役になった。ところが給金は上がったものの、「かわいそうな毒見役」であることを同僚に気遣われて暇を持て余す日々。そんな折り、猫猫は壬氏にとんでもない薬を作ってほしいと頼まれる。>

高順から、近隣の村で野営する兵士たちが次々と毒に倒れる事件が発生し、村長を取り押さえたと報告を受ける壬氏。高順から玉葉妃の侍女が増えたことについて尋ねられた壬氏は、玉葉妃の侍女は4人と少なすぎ、それでは上級妃としての矜持が保てない、玉葉妃は聡明で用心深いが、都合のいい駒が見つかった、薬の知識を利用しない手はないと話し、その知識を悪用させないようにするため、色目を使おうと考える。

引越しの準備をしている猫猫を尋ねた壬氏。色目を使い周囲の女官たちはうっとりするが、猫猫はそれを見て虫酸が走り、その場を逃げる。荷物をまとめ玉葉妃が暮らす翡翠宮にやってきた猫猫を、玉葉妃やその侍女たちは温かく歓迎するが、侍女たちは猫猫が毒の実験で自ら傷つけた左腕に巻く包帯を見て親に虐待されて売り飛ばされたのだと同情し、毒見役となる猫猫をかわいそうだと気遣って他の仕事をさせない。玉葉妃は以前2回毒を盛られたことがあり、その時の毒見役は毒にやられ未だに手足が動かない状態だった。

さっそく玉葉妃の食事の毒見をする猫猫は、陶器ではなく毒に反応しやすい銀製の食器にした方がいいと紅娘に話すと、壬氏の言った通りね、と感心し、試すためにわざと陶器を使ったことを明かす。字が書けることを言っていればもっと給金がもらえたのにと言う紅娘に、給金の一部が自分をさらった男たちに行っていると思うとはらわたが煮えくり返ると猫猫が答えると、紅娘は花瓶を猫猫に渡すそぶりをして猫猫が手を伸ばしたところでわざと手を離して花瓶を落とし、これじゃ給金の仕送りはできないわね、と言って、毒見役の追加給金として給料とほぼ同額のお金を渡す。猫猫は飴の使い方が上手いと感心する。

毒見以外の仕事をさせてもらえず暇を持て余す猫猫。やってきた壬氏は、持ってきた包子の毒見を頼む。それを半分に割ってその匂いを嗅いだ猫猫が、催淫剤が入っていることを見抜くと、壬氏は近隣の村での事件について見立てを尋ねる。器や箸などは兵士たちがその場で用意したのだろうと聞いた猫猫は、植物には生木を燃やしたりするだけで毒を出すものもあると、村人が毒を仕込んだわけではないという意見を述べる。すると、壬氏はさらに、媚薬を作ってほしいと猫猫に依頼する。

夜になって、執務室に戻った壬氏。その美しさを利用して、主上への忠誠を測る試金石として後宮に送り込まれていた壬氏だったが、自分を欲情の相手にせず蛞蝓を見るような軽蔑した目で自分を見た猫猫のことを思い出して悦に入る。

翌日、猫猫が医局を尋ねると、壬氏の付き人をしている高順が待っていた。医官は警戒するが、数多くの薬の材料があるのを見て歓喜する。カカオが足りないが、壬氏は交易品を探させて取り寄せる。材料が揃ったところで、猫猫は媚薬のチョコレート作りを始める。チョコレートは完成し、余ったチョコレートを自分の夜食用にパンに染み込ませて置いておくが、それを勝手に食べた侍女の桜花、貴園、愛藍は、媚薬の作用でトロンとしてしまう。猫猫は完成したチョコレートを壬氏に渡す。

 

原作小説では、シリーズ第1巻「薬屋のひとりごと」所収の「六話 毒見役」「七話 枝」「八話 媚薬」「九話 可可阿(カカオ)」に対応する部分になっています。

#3『幽霊騒動』

<“城壁の上で女の幽霊が踊っている”という噂が後宮内に広まった。よくある幽霊話と気にしない猫猫だったが、壬氏に夢遊病について聞かれ、幽霊の正体をその目で確かめることに。夜、壬氏の部下である高順に連れられて城壁に行くと、美しく舞う女の姿があった。女の事情を調べる猫猫は、やがて思いがけない理由を知ることになる。>

壬氏から下賜を告げられた芙蓉妃。その後、夜に女の幽霊が出るようになる。

朝、故郷の西都を懐かしむ桜花、貴園、愛藍。愛藍は玉葉妃の入内で西都と中央との交易が盛んになったと喜ぶ手紙が父から届いたと話す。猫猫が台所で風邪薬を作っていると、そこに掃除にやってきた桜花は、後宮に幽霊が出ると話す。小蘭にその話をすると、ここ半月くらい、白い女の幽霊が東門の城壁で月の下で舞っているという噂話を話すが、猫猫はよくある幽霊話だと気に留めない。

内心やぶ医者と呼ぶ医官とも仲良くなっていた猫猫が医局を訪ねると、そこにやってきた壬氏は、夢遊病はどうやったら治るのか尋ね、それを調べるよう猫猫に求める。夜、高順に幽霊が出る城壁に連れていってもらった猫猫は、城壁の上で美しく舞う女性を見る。高順は、その女性は芙蓉妃で、翌月に功労として武官に下賜される中級妃だと話す。やぶ医者は、2年くらい前に小さな属国から来た気の小さいお姫様で、お目通りで得意の舞を失敗し、入内から一度も帝のお手付きがなく、ずっと部屋に閉じこもっていた、下賜を受ける武官が同郷であることを話す。下賜が原因で夢遊病になったのかと考え始める猫猫だが、もっと情報を集めようと芙蓉妃を実際に見に行き、本当に芙蓉のようだと思う。小蘭にも情報を求めると、最初は北門に出ていたと話す。それを聞いて、猫猫はある推論に至る。

猫猫は、玉葉妃も同席する場で壬氏に、妓楼にも夢遊病になった妓女がいた、見請け話が決まった妓女が夜に徘徊するようになり、破談になったら治ったこと、見請けする男性は孫までいる身分で、妓女の年季は残り1年だった、見請け話が原因だったのだろう、芙蓉妃もそれと同じだろうと説明する。それを聞いた壬氏は、本当にそれだけか、と繰り返し問うが、猫猫はそれだけです、と押し通す。

それから、芙蓉妃は外出が禁止され、下賜されるまでの間、見張りが付けられる。猫猫はうまくいけばいいけど、と芙蓉妃を思いやる。玉葉妃は、最近猫猫の様子が変だと勘付き、やはり何かあるのだと察する。

芙蓉妃が下賜される日、城門に歩みを進める芙蓉妃を眺める猫猫に、玉葉妃は私にくらい本当のことを話してくれてもいいんじゃない、と声を掛ける。猫猫は、あくまで推測なので他言無用で、と言って話し出す。ほかにも夢遊病で見請け話が破談となった妓女に、その後別の見請け話が持ち上がり、前の半分の額で成立したが、これは詐欺で、見請けを申し出た2人の男は知人同士で、妓女は病気のふりをして一度目の見請けを破談にし、後に本命の男がその半額で身請けした、一緒になるには男には金が足りず、女には年季があった、と話す猫猫。芙蓉妃がそれと同じなのかと玉葉妃が聞くと、芙蓉妃と下賜される武官は、同じ故郷で過ごした幼なじみで、先般の異民族討伐で武勲をたてた武官が、褒賞に芙蓉妃の下賜を強く願い出た、故郷にいた時からいつかはと考えていたのだろう、姫も幼なじみのことを思って、わざと得意の舞を失敗して帝の興味を引かないようにし、今も身ぎれいなままだが、他人のものとなる芙蓉妃を帝が惜しまないとは言い切れない、と夢遊病のふりをしたのだろうと推測を話す。

そして、後宮の門が開き、芙蓉妃の目の前には、出迎えに来た武官が待っていた。玉葉妃は芙蓉妃がうらやましいなんて言ったら私はひどい女かしら、と内心を打ち明ける。そんなことはないと思います、と否定する猫猫は、あの夜の芙蓉妃は美しかった、昼に観た素朴な姫と同じとは思えなかったと回想する。そして、牛車に乗った芙蓉妃と武官は熱く抱擁する。

城壁の上から外を眺める猫猫は、恋が女を美しくするのであれば、どんな薬になるだろうと思いを馳せる。

一方、玉葉妃のもとには、噂の薬師に頼みたいことがある、と帝が訪ねてくる。

 

原作小説では、シリーズ第1巻「薬屋のひとりごと」所収の「十話 幽霊騒動 前編」「十一話 幽霊騒動 後編」に対応する部分になっています。

#4『恫喝』

<猫猫は帝の御子の連続死の謎を解決したのだが、その後も梨花妃は容体がすぐれないままだった。ある日、妃を治療せよと皇帝に命じられた猫猫。しかし妃のために用意した食事を与えようとするも侍女たちに邪魔されてしまい、妃はどんどん衰弱していく。そんな折、猫猫は壬氏の助けによって梨花妃に近づく機会を得たが、禁止されたはずの“おしろい”がなぜか使われていた。>

翡翠宮に帝が来た夜、毒見をする猫猫は、帝から、噂の薬師に頼みたいことがある、梨花妃の容態が悪い、しばらく見てくれないか、と直々に梨花妃の治療を命じられる。

小蘭と会って食事をする猫猫は、小蘭からおしろいは禁止されて、後宮にあるおしろいは宦官が回収したと聞かされる。小蘭は帝から直々に頼まれるなんて凄いね、と言うが、猫猫はこんな小娘に頼むのは医官が頼りないからだろうと思う。

猫猫は、梨花妃が暮らす水晶宮に入り、おしろいの毒で衰弱する梨花妃の体に残った毒を排出させようと、繊維質の豊富な粥と利尿作用のあるお茶で食生活改善を試みようとするが、梨花妃の侍女たちに邪魔される。このままでは衰弱死は確実だと思う猫猫だが、梨花妃に近づくこともできない。

それを見かねた壬氏は、帝のはからいを無下にするのは美しき才女たちには似合わない、と侍女たちを懐柔し、猫猫は初めて梨花妃のそばに近づき、粥を食べさせることができる。その顔におしろいが塗られていることに気づいた猫猫は、おしろいで化粧させていた侍女の頬を平手打ちして、隠していたおしろいを浴びせ、どうしてこれが禁止されたか分かっているのか、と凄む。なおも、梨花さまが喜ぶと思って、と言い訳をする侍女に、誰が自分の餓鬼殺した毒を喜ぶんだよ、と鬼の形相で凄み、他の侍女に掃除を命ずる。それを見ていた壬氏は、女とは本当に恐ろしいな、と口にし、猫猫はやってしまった、と後悔する。

しかし、それを機に、猫猫の邪魔をしていた侍女たちは猫猫の言うことに従うようになる。猫猫は、解毒作用のある食事を梨花の口に流し込んで食べさせ、茶を飲ませることを繰り返す。おしろいを隠していた侍女は謹慎処分を受け、回収し損ねた宦官はむち打ちの刑を受けていた。

そうしたある日、やってきた壬氏から困ったことはないか、何でも言ってみろ、と聞かれた猫猫は、汗をかかせて毒を抜くために蒸気風呂を作ってもらう。そうした猫猫の尽力で、梨花妃の容態は少しずつ回復していく。息子を失い意気消沈する梨花妃は、どうしてあのまま死なせてくれないのか、と猫猫に言うが、猫猫は、ならば食事をとらねばいいことです、粥を食むということは死にたくないからでしょうと答え、それを聞いた梨花妃は、亡き息子を思い起こし、そうか、そうだな、と口にする。

猫猫の尽力で、梨花妃は少しずつ回復する。謹慎が解け、水晶宮に戻ってきた侍女も、回復した梨花妃を見て涙を流す。2か月ほどが過ぎると、梨花妃は1人で散歩できるまでに回復する。その様子を見て、嫌なお嬢様を想像していた猫猫も、実際は妃にふさわしい人格を持っていたのだと実感する。梨花妃が回復し、水晶宮を辞することになった猫猫に梨花妃は、私はもう子はなせないのかしら、と尋ね、猫猫は、わかりません、試してみればよろしかと、と答える。梨花妃は、帝の寵愛はついえたのに?、とさらに問うが、私は帝の命でここに来た、私が翡翠宮に戻れば、帝もいらしゃるのでは、世には百千の花がありますが、牡丹と桔梗のどちらが美しいかは決めつけるものではないと思う、と励まし、かつて緑青館の妓女たちから聞いた秘術を耳打ちし、水晶宮をあとにする。

翡翠宮に戻った猫猫を壬氏は頼もしい目で見る。その後、翡翠宮への帝のお通りが極端に減った時期があった。玉葉妃は、やっと睡眠不足から解放されると喜び、それを聞いた猫猫は目を泳がせるのだった。

 

原作小説では、シリーズ第1巻「薬屋のひとりごと」所収の「十二話 恫喝」「十三話 看病」に対応する部分になっています。

 

(ここまで)

 

原作小説はけっこう前に読んでいたのですが、改めて読み直してみても、大きな違和感を感じる描写はないので、基本的に原作小説の展開に沿って描かれているようで、アニメで描くことで、より魅力が増しているような印象で、この先も楽しみです。

なお、10月21日(土)深夜の日本テレビでの初回放送時は、25時5分から3話連続放送でした。「金曜ロードショー」で4話分が放送された「葬送のフリーレン」とは異なり、各話ごとのオープニングテーマやエンディングテーマ、次回予告などもカットされず、3話分がそのまま続けて放送される形でした。

 

第5話以降の続きは改めて。