鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「花束みたいな恋をした」

TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。

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日曜の午後、この日はTOHOシネマズデイということもあり、ロビーはかなりの賑わいでした。

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この日の上映スケジュール。鬼滅の刃IMAXレーザー版と通常版合わせて1日5回、さすがに普通の映画並みの上映回数になっていました。

さて、私が観に来たのは「花束みたいな恋をした」(1月29日(金)公開)。直球の恋愛映画のようで若干迷いましたが、映画情報サイトでの口コミ評価がかなり高いので、観てみることに。

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上映は234席のスクリーン2。席はほとんど埋まっていたので、200人は入っていたのではないかと思います。昨年5月に緊急事態宣言が解除されて映画館の営業が再開されて以降、こんなに席が埋まっていたのは、昨年11月に丸の内ピカデリーで観た「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」ドルビーシネマ版くらい。この週末も、本作は観客動員ランキングで3週連続で1位でしたが、それも納得の混み方でした。

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(チラシの表裏)

1991年の「東京ラブストーリー」をはじめ、多くのテレビドラマで脚本を務めた坂元裕二の書き下ろし脚本による作品で、監督は、昨年観た「罪の声」でも監督を務めていた土井裕泰

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

東京・京王線明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音麦 (菅田将暉)と 八谷絹 (有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!
──これはきっと、私たちの物語。

 

・・・という映画。

 

偶然に出会い、共通点の多さに互いに恋に落ちた大学生の2人が、大学を卒業し、社会人となっていく中ですれ違っていき、別れるまでの5年間を描いた作品。

予想どおり純粋な恋愛映画、外見的に劇的な出来事が起きるわけではないのに、作品の世界に引き込み、最後まで見せていく構成・展開がとても巧みでした。

ゴールデンカムイNintendo Switchパズドラといった小道具、カラオケの曲目など、その年々のアイコンがこれでもかと盛り込まれているのは、若干煩い感じもなくもないのですが、全体がうまくまとめられていて、口コミ評価の高さも納得のいい作品でした。

いろいろいいシーンがありましたが、終盤、詳述は避けますが、清原果耶と細田佳央太が演じる若く初々しい男女のやりとりを見て、かつての自分たちを思い出して涙するシーンは特に印象的でした。

小竹正人「空に住む」

小竹正人さんの小説「空に住む」を読みました。

空に住む (講談社文庫)

空に住む (講談社文庫)

  • 作者:小竹 正人
  • 発売日: 2020/09/15
  • メディア: 文庫
 

本作は、三代目 J Soul Brothersの楽曲などに詞を提供している作詞家の小竹正人さんの初の小説で、2013年9月に単行本として刊行されています。その後、おそらく映画化に合わせて、2020年9月に文庫本化されています。昨年、映画を観ていたので、原作も読んでみようと思って、手にしてみました。

文庫本の背表紙には、次のような紹介文が掲載されています。

 

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両親を亡くした直美は、渋谷のタワーマンションの高層階で猫のハナと暮らすことに。
そのエレベーター内で偶然出会ったのは人気俳優だった。
彼にオムライスを作ったのを機に、部屋を行き来する関係になる二人。
だが、最愛のハナに病魔が忍び寄っていた。
運命に翻弄される直美の喪失と再生の物語。

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作品は、数字で区切られた9章で構成されています。各章のおおまかなあらすじは次のとおりです。

急病で母を、交通事故で父を亡くした小早川直美は、幼い頃から慕っていた叔父・雅博の勧めで、新潟の実家など両親の遺産を整理し、叔父が45歳で結婚した妻の明日子と住む渋谷のタワーマンションで、愛猫のハナと一緒に暮らすことになる。

42階建てのタワーマンションの39階の1LDKに住むことになった直美。一生食べるのに困らないくらいの遺産を相続し、ハナの世話と料理が不得手な明日子に料理を教えるくらいの気楽な日々を過ごす直美は、41階で暮らす明日子と合鍵を交換する。

新しい部屋に慣れてきたころ、直美はエレベーターで偶然に人気俳優の時戸森則と出会う。再びエレベーターで時戸と出会い、頼まれるままにオムライスを作ることになったことをきっかけに、直美は時戸と関係を持ち、逢瀬を重ねる仲になる。そんな中、愛猫のハナが難病の悪性メラノーマであることが発覚し、動物病院に足を運ぶようになる。

ハナの症状は次第に悪化していく。直美は、時戸が他の女性とも関係を持っていることを知り、どうしようもない男だと思うようになっていくが、それでも時戸が好きな気持ちは変わらず、時戸と過ごす時間に刺激的で官能的な出来事を求めるようになっていたが、症状が進み醜くなったハナを嫌がる時戸の足は次第の遠のく。ハナの介護に疲れた直美は、親友の柏木美雨に、時戸との関係を打ち明ける。

年末、叔父夫妻は、ハナの介護に追われる直美を気遣って、恒例の海外旅行を取りやめようとするが、直美はそれを思いとどまらせる。クリスマスが迫ったある日、久しぶりに時戸から連絡が入り、シチューを食べにやってくるが、直美を抱くことなく時戸は出ていく。そして、12月31日の朝、ハナが眠るように息を引き取る。

ハナの死によってできた心の傷を無理やり塞いだ直美は、ネットでペット専門の葬儀会社を検索し、1月3日、思い出の場所である目黒川の川沿いで火葬する。生きがいを失った直美は、誰かにすがりつきたい思いで、初めて自分から時戸に電話をかけ、ワインを飲みにやってきた時戸を自分から誘うようにして抱かれる。虚無感から抜け出そうと気ままに買い物をしても気は晴れず、時戸との捨て鉢なセックスに依存するようになる。

引っ越して2回目の春を迎え、外出も買い物もしなくなり、マンガを読んで現実から逃避する生活を送る直美。久しぶりに時戸から電話がきて彼の部屋に行くと、1人の女性もそこにいた。一緒に飲むが、あることがきっかけでケンカ別れしてしまう。翌日やってきた明日子は、虚無的な生活を送る直美を厳しく諫め、一緒に泣く。直美は、少しずつ気持ちを切り替える努力をしようと思う。

直美は、自分のペースで生活改善に取り組み始める。そんな中、時戸が住んでいる42階で引っ越しがあると聞き、直美は時戸が引っ越すのだと直感する。4月半ば、やってきた美雨と一緒に目黒川沿いの桜並木に出かけた直美は、美雨が開いているレストランのバイトに誘われ、働くようになる。そんな中、ハナの闘病中に足繫く通った動物病院の先生に会った雅博の提案で、先生を招いてホームパーティを開く。

ホームパーティで先生の趣味である乗馬に一緒に行く約束をした直美は、2人の休みがようやく重なった6月中旬、山梨にある先生の知り合いの牧場に一緒に出かけ、馬に乗る。先生の手引きで長い距離を馬と走った直美は、そびえたつ富士山の姿に感動を覚え、勇気をもらったような気持ちになる。夏生まれの直美と美雨のために雅博が開いたパーティで、直美は新しい猫を飼うことを提案されるが、ハナとの思い出が整理されるまでは一緒に暮らさない方がいいと断る。

(ここまで)

 

基本的な設定、フワフワした浮遊感は昨年観た映画版と共通ですが、途中からの展開はけっこう違っていました。映画では、直美は出版社の仕事を辞めずに続けており、時戸との関係もケンカ別れではなく、時戸の素顔を引き出した本を作るべく、マンションの部屋で時戸にインタビューするところで終わっていたと記憶していますが、本作では、時戸との関係は完全に終わっており、直美は動物病院の先生とさらに親密になっていくのだろうと思わせる終わり方になっています。

私自身は、愛猫を失った喪失感がうまく想像できないこともあって、虚無的な生活を送り、時戸とのセックスに依存していく直美の心情は、あまり共感はできなかったのですが、独特の浮遊感、喪失からの再生というストーリー展開は悪くないと思いました。

「銘店伝説 極魅」を食べてみる

休日のお昼などに家でラーメンを作って食べる際、「銘店伝説」を買うことがけっこうあります。

www.island-foods.co.jp

行ったことのないお店ばかりなので、どこまで実際のお店の味に近いのかは分かりませんが、希望小売価格が1パック2人前が税抜き410円、店頭では、お店によりますが3~400円程度と、他のチルド麺と大差ない価格で、麺・スープとも、それぞれの特徴ある味わいを楽しめるのはいいところ。

販売元のアイランド食品のショッピングサイトでは、スーパーなどで展開している「銘店伝説」のほかに、麺・スープだけでなく、レトルトのトッピングも加えた「銘店伝説 極魅」も販売しています。

www.meitendensetsu.com

販売しているのは4種類。通常だと、1人前が税込み648円で、そのほかに地域に応じ775円~2,200円の送料がかかるのですが、2種類が送料無料・1,000円で買うことができるということで、家族が注文していました。ちなみに、これは初回お試しセットで1人1セット限定ですが、4種類をセットにした4個セットも、送料無料・2,400円で(回数制限なく)買うことができます。

注文した家族は「中華蕎麦 とみ田」のつけ麺を食べたのですが、もう1つの「ぜんや」のラーメンが残っていたので、在宅勤務中のお昼に作って食べてみました。

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パッケージはこんな感じ。「ぜんや」とは、埼玉県新座市にある塩ラーメン専門の人気店だそうです。

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開けてみると、店頭で売っているのと同じと思われる麺とタレのほかに、チャーシュー2種類とメンマの具材が入っています。

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パッケージの表紙の裏面にある作り方に沿って作っていきます。

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実質的には5分足らず、麺を茹でるお湯の沸かし始めからでも10分ほどで完成。パッケージ写真にならって、ネギはなかったのですが、冷凍のほうれん草を解凍して追加でトッピングしてみました。

「銘店伝説」を含め、家でラーメンを作るときは、具材にもやしやキャベツをかなり多めに使って作るのが常なので、実際のラーメン店とほぼ同じトッピングで食べるのは、意外と新鮮です。2種のチャーシュー、濃厚な塩スープの味わいも良く、美味しくいただきました。

お店で食べれば800円くらいはするのでしょうから、1食648円という値段はそれより割安とはいえ、送料も考えると気軽に食べられる感じではありませんが、たまに家で贅沢なラーメンを食べたいときには、いい商品かもしれません。