NHKの「クラシック音楽館」でヘルベルト・ブロムシュテットが振ったN響のコンサートを見ました。
NHK交響楽団第1924回定期公演(2019年11月6日・サントリーホール)
NHK交響楽団第1925回定期公演(2019年11月16日・NHKホール)
ブロムシュテットのベートーヴェンの「英雄」の録音としては、ブロムシュテット50歳前後に録音されたドレスデン・シュターツカペレとの交響曲全集の一環の1976年の録音がありましたし、1990年のサンフランシスコ交響楽団との録音もありました。その後、90歳を目前にして、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とライブ録音による交響曲全集が録音されているようです。私が実際に聴いたことがあるのは、サンフランシスコ交響楽団との録音だけですが、他のブロムシュテットの録音と同様に、端正な表現が印象的な演奏でした。
一方のブラームスは、以前にこのブログでも書いたことがありますが、一般に入手可能な録音としては、1993年にサンフランシスコ交響楽団と録音したドイツ・レクイエム、1996年にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と録音した交響曲第4番くらいで、交響曲第3番の録音はなかったと思います。
1927年生まれのヘルベルト・ブロムシュテットは現在92歳。この歳になって、椅子にも座らず、多少背中は丸まった感はありますが、腰が曲がっている感じもなく、これだけ生き生きと指揮ができるのは、本当に驚嘆します。演奏も、いずれも、相変わらず端正さを感じさせる演奏で、先入観なく音だけを聴いていたら、これが90代の指揮者の演奏とはとても思えないだろうと思います。管楽器のハーモニーとか、細部はもっと整っているといいなあと思う部分も見受けられましたが、音程やバランスの細かいところは、逐一指摘・指導するという感じではなく、オーケストラに委ねているのだろうと思います。