鷺の停車場

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CDプレーヤーを買い替える

かなり久しぶりに、CDプレーヤーを買い替えました。

これまで長らく使っていたのは、20年以上前に購入したパイオニアDVL-919。


本来的にはCDプレーヤーではなく、DVDとLDレーザーディスクのコンパチブルプレーヤー。1998年に発売され、2009年まで製造されていた最後のLDプレーヤーの1機種でした。

jpn.pioneer

発売当時の定価は税抜き115,000円*1でしたが、おぼろげな記憶では、実際に買った価格は、何かのセールだったと思いますが、7~8万円くらいでした。

いわゆる地デジ化前の機種で、現在主流のHDMI端子などはなく、今となってはDVDプレーヤーとしては使えず、LDも観なくなったので、もっぱらCDプレーヤーとして使っていました。目立った故障なく長年使っていましたが、SACDとのハイブリッドCDが再生できないといった不都合も気になっていたので、思い切って買い替えることにしました。

 

そうそう買い替えられる物ではないので、せっかく買うなら、高音質のSACDも再生可能な機種にしようと思い、価格.comなどで検索してみました。普通のCDプレーヤーなら、3万円台から入手することができますが、SACD対応のCDプレーヤーは、値段は、安いものでも15万円以上で、最も高いものになると、何と300万円以上(!)とよほどのオーディオマニアでないと手が出せないような値段です。しかも、かなり機種が少なく、50万円以下のものでも10機種ほどしかありません。


いろいろ考えた結果、買うことにしたのは、マランツの「SACD 30n」。

www.marantz.com

希望小売価格は税抜き298,000円、税込みで327,800円です*2

メーカーサイトの製品紹介では、以下のように紹介されています。

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マランツ史上最高のネットワーク再生能力と、SACD/CD専用機に匹敵するディスク再生能力を備えたデジタルソースプレーヤー。ディスク、ネットワーク、ストリーミング、PCなど、幅広いデジタルオーディオソースを忠実に、そして音楽性豊かに再生します。

新世代のマランツデザイン

SACD 30nは、シンメトリーやポートホールのようなマランツの伝統的なデザインエレメントを受け継ぎながら、現代的な解釈により生み出された、これからのマランツを象徴するまったく新しいハウジングを与えられました。

これは、オールドマランツを愛したファンの記憶を蘇らせるクラシカルな趣きと、新しい時代の技術、そして音楽ソースと共に革新を続ける現代のマランツのイメージが同居する新世代のマランツデザインです。そして、新しくなったのはデザインだけではありません。デザインの刷新に伴って機構設計の全面的な見直しが可能となり、ビルドクオリティも大きく進化しました。ハウジングを構成するシャーシに用いられる鋼板の厚みは12シリーズと同等とし、アルミ製サイドカバーについては12シリーズを凌駕する最厚部5.7mmの高剛性なアルミパネルを採用しています。また、インシュレーターや電源トランスの固定には、特に太いネジを用いて上位モデルに匹敵する堅牢さを実現しています。

Marantz Musical Mastering

マランツオリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」は、SACD 30nのパフォーマンスの要であり、あらゆるデジタルソースを高品位にアナログ変換します。

PCM入力は、Marantz Musical Masteringの前半部分であるMMM-Streamにおいて11.2 MHz DSD信号に変換されます。そしてこのDSD信号を後半部分のMMM-Conversionでアナログ信号に変換し、アナログ出力回路へと送り出します。このプロセス中のMMM-Streamセクションにおけるデジタルフィルター処理を独自開発のアルゴリズムとパラメーターで行うことにより、マランツの理想とするサウンドを具現化しています。

プレミアム・クロック・ リジェネレーター

ソースのサンプリング周波数に合わせて44.1 kH系と48 kHz系の2系統のクロックを切り替えて使用するデュアルクロックシステムにより、ジッターを抑制し、明瞭な定位と見通しの良い空間表現を実現しています。さらに、SACD 30nでは、新採用のプレミアム・クロック・リジェネレーターによりネットワークオーディオ系のクロックの品位を飛躍的に高め、ディスク再生時と同様の超低ジッターを実現しました。

HDAM®搭載フルディスクリート・アナログ出力回路

D/Aコンバーター以降のアナログステージには、マランツ独自の高速アンプモジュールHDAM®及びHDAM®-SA3を用いたフルディスクリート回路を採用し、ハイスピードで情報量豊かなサウンドを実現しています。サウンドマスターと音質担当エンジニアによる試作、試聴を繰り返して既存の音質対策パーツと新規開発のカスタムパーツからSACD 30nに最適なものを厳選。細部に至るまで徹底したサウンドチューニングを施しています。

クリーンで安定した電源を供給する大容量トロイダルトランス

電源供給に余裕を持たせ、常に安定した音楽再生を行うために、大容量トロイダル型電源トランスを搭載。音質に悪影響を及ぼす漏洩磁束を抑えるために、垂直方向の磁束漏れを抑えるアルミ製ショートリングに水平方向の磁束漏れを抑える珪素鋼板シールドを加えた2重シールドを施しています。

メカエンジン、デジタルオーディオ回路、アナログオーディオ回路、ディスプレイ、それぞれブロックごとに専用の二次巻線を用い、後段の整流回路や平滑回路も独立させることで、回路間の相互干渉を排除しました。ベースプレートを介してメインシャーシにしっかりと固定し、振動の伝搬を抑制。固定用のボルト、ナットには非磁性体である真鍮を用い、磁界ループを遮断しています。

SACD 30n専用のカスタム・ブロックコンデンサ

アナログ回路電源用のブロックコンデンサーは音質を決めるうえで最も重要なパーツの一つです。そのため開発過程において幾度も試作と試聴を繰り返し、製品ごとに最適なものを選択しています。SACD 30nには、エルナー社と共同開発した大容量3,900μFのカスタム・ブロックコンデンサーを採用しています。

自社開発の新メカエンジン「SACDM-3L」

マランツはCDプレーヤーの一号機として初代CD-63を1982年に発売。 以来、私たちはディスク再生の品質を高めるため、革新し続けてきました。SACD 30nの心臓部には、SACDやCD、データディスクに保存された音楽を限りなく正確に読みだすために開発された革新的なメカエンジン「SACDM-3L」が搭載されています。この新メカエンジンは、CDやSACDを素晴らしい音質で再生するとともに、DVDディスクに書き込んだハイレゾ音源もまた抜群のクオリティで再生することができます。また、ディスクを再生していない間は、メカエンジンの電源をOFFにしてノイズや干渉を防ぐことができます。

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紹介を読んでも、技術的な詳しいところまではわかりませんが、音質を高めるために、それぞれの部分にこだわって作られていることは確かなようです。

先に書いたように、定価(希望小売価格)は税込み約33万円。実勢価格でも税込みで30万円前後しますが、CDプレーヤー全体の中でも、評価の高い売れ筋の機種の1つだったことに加え、ネットワークプレーヤーの機能に興味を感じたこともあり、思い切って家電の通販サイトで注文してみました。


数日して、家に商品が届きました。


箱を開けるとこんな感じ。


上に乗っていた箱を開けると、説明書類と附属品が入っています。


附属品はこんな感じ。リモコンとその電池、Wifiなどの接続用のアンテナ、オーディオケーブルが入っています。


さらにその下にプレーヤー本体が入っています。


梱包を開けるとこのような感じ。サイズは幅443mm・高さ130mm・奥行424mm、重量は13.7 kgです。前に使っていたパイオニアDVL-919は、幅420mm・高さ146mm・奥行463mm、重量8.5 kgだったので、比較すると、高さは約1.5cm、奥行は4cm弱小さくなりましたが、幅は2cmちょっと、重量は5kgちょっと増えたことになります。

かんたんスタートガイドと取扱説明書を見ながら、ラックに収納して、アンプなどと接続してセッティング。無線LANへの接続などの初期設定も、説明書に従って簡単に行うことができました。


実際にCDを聴いてみると、音のバランスが良く、これまでより引き締まって緻密でクリアな音になった気がします。うまく表現できませんが、前の機種を使っていた時には気になっていなかった、それまでかかっていた薄い靄がきれいに取れてくっきり晴れたような印象で、かなり音量が大きくなった箇所でも、音が混濁する感じがありません。前の機種の経年劣化もあったのだろうと思いますが、値段相応のグレードの差、そして、この間の技術の進歩もあるのだろうと感じました。音質だけでなく、本体パネルが日本語表記も対応しているのも親切です。

なお、アンプは約7年前に型落ちで購入したヤマハのAVアンプRX-A2020*3、スピーカーは約3年前に購入したDALIのトールボーイスピーカーOBERON5*4につないでいます。それぞれの機器の相性などは考えずにバラバラと買ってきたので、同じくらいの価格帯の機種にしても、もっと相性の良い組み合わせがあるのかもしれませんが、しばらく使ってなじんでくると、また響きが少し変わってくるのかもしれませんので、それも楽しみです。

ネットワークプレーヤーとしての機能については、AirPlay、iTune、SpotifyAmazon Musicなどはこれまで使ってなかったので、まだあまり使いこなせていません。接続できないトラブルを何とか克服して、ようやくSpotifyが使えるようになった程度ですが、独自のアプリ「HEOS」を使って、スマホをリモコン代わりに操作して再生できたり、パソコンに取り込んだ音楽がUSBで接続しなくてもWifi経由で聴けるのは便利です。少しずつ使っていこうと思います。

 

ちなみに、お役御免となった方のパイオニアDVL-919、20年以上前のものですが、特に故障したわけでもなく、粗大ゴミとして捨てるのも勿体ない気がしました。
そこで、リサイクルショップで買い取ってもらえないかと思い、まずはオーディオ専門の中古買取・販売店に電話し、型番を伝えたところ、その機種は値段が付きません、と残念な返事でした。
ただ、webでちょっと検索した限りでは、物の程度により、数千円で買い取ってもらえる場合もあるようだったので、違うお店なら値段が付くかもしれないと思って、ダメモトで別のリサイクルショップに持ち込んでみました。
2~30分の査定の後に提示された買取価格は、なんと8,000円。予想を超える高値に、そのまま買い取ってもらうことにしました。

リモコンや取扱説明書などが揃っていたことが幸いしたのかもしれませんが、20年以上前の購入価格のおよそ1割の値段で売れたことになります。こんなに昔の機種を今になって買おうとする人がどの程度いるのかわかりませんが、例えば、とあるリサイクルショップのサイトを見ると、同じ機種が3万円台で売られていたりするので、一定の需要はあるのでしょう。

*1:DVL-919の発売当時、消費税は5%で、税込みでは120,750円でした。

*2:SACD 30nは、2020年9月の発売当初は税抜き270,000円(税込み297,000円)でしたが、2021年9月に現行の価格に改定されています。

*3:ヤマハRX-A2020は2012年9月発売、当時の希望小売価格は税抜き190,000円でした。

*4:DALI OBERON5は2018年9月発売、当時の希望小売価格は税抜き115,000円(ペア)でしたが、2021年2月から129,000円、同年5月から150,000円に価格が改定されています。