鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

劇場アニメ「君たちはどう生きるか」

お休みの日の朝、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。


世間的には平日の朝9時前過ぎの時間帯ですが、ロビーにはかなりのお客さんがいました。


この日の上映スケジュール。28作品・32種類の上映が行われていました。


この日観るのは「君たちはどう生きるか」(7月14日(金)公開)。作品についての情報が乏しく、映画情報サイトでの口コミ評価もだいぶ分かれていたので、観に行くかしばらく迷っていたのですが、公開から2か月以上が経過しても、興行収入ランキングでベスト10に残っているので、そんなに悪い作品ではないのだろうと思って、重い腰を上げて観に行くことにしました。

ちなみに、スタジオジブリの作品は、日本テレビの「金曜ロードショー」での放映でほぼ全ての作品を観ていますが、実際に劇場で観るのは、新型コロナウイルス感染症の流行初期の2020年夏、多くの新作映画が公開延期となった際に再上映された「風の谷のナウシカ」を観に行ったくらいで、新作映画をスクリーンで観るのは初めてです。


上映は103+2席のスクリーン3。お客さんは20~30人という感じでした。

 

風立ちぬ」(2013年)以来10年ぶりの宮崎駿監督の長編アニメーション。宮崎監督が原作・脚本も手掛けたオリジナルストーリーで、第二次世界大戦末期の日本を舞台にしたファンタジー作品。その他の主要スタッフは、プロデューサー:鈴木敏夫作画監督本田雄、音楽:久石譲、主題歌:米津玄師、制作:スタジオジブリなど。

 

公開前・公開直後は全くといっていいほど明らかにされていませんでしたが、映画情報サイトなどによると、主な登場人物・キャストは、次のとおりです。

  • 牧眞人【山時 聡真】:主人公の少年。

  • 青サギ【菅田 将暉】:眞人が引っ越した屋敷にいる不思議な青サギ。

  • キリコ【柴咲 コウ】:夏子の屋敷の使用人のばあやの1人。「下の世界」では、また別の姿の女性として現れる。

  • ヒミ【あいみょん】:「下の世界」で眞人が出会った少女。眞人の母・ヒサコの少女時代。

  • 夏子【木村 佳乃】:ヒサコの妹で父・勝一の再婚相手。

  • 勝一【木村 拓哉】:眞人の父、航空機の部品を製造する軍需工場を経営している。

  • いずみ【竹下 景子】/うたこ【風吹 ジュン】/えりこ【阿川 佐和子】/あいこ【大竹 しのぶ】:夏子の屋敷の使用人のばあやたち。

  • ワラワラ【滝沢 カレン】:「下の世界」で眞人が出会った白くまん丸い妖精のような魂たち。

  • インコ大王【國村 隼】:「下の世界」で勢力を振るっているインコの王。

  • ペリカン【小林 薫】:ワラワラを食べるペリカンのうちの1羽。ワラワラを食べようとするところをヒミが発した火で焼かれて重傷を負い、亡くなる。

  • 大伯父【火野 正平】:ヒサコと夏子の大伯父。「下の世界」を創造した主として「下の世界」にとどまっている。

公開前には全く情報が明らかにされず、いまだに公式サイトではストーリーが全く明らかにされていないので、あらすじについて触れることは避けておきます。(詳しいあらすじは、例えばWikipediaでも紹介されていますので、興味のある方はそうしたサイトを見ていただければと思います。)

 

不思議な作品でした。劇中では不思議なことがいろいろ起こるのですが、その意味するところが明らかにならないまま進んでいき、そのまま終わります。悪く言えば回収されない伏線ばかりで、通常なら消化不良感が多く残りそうなものですが、そういったところを気にさせずに物語の展開に引っぱり込まれた感じでした。躍動感に満ちた動き、有無を言わさず作品の世界に引き込む魅力は、宮崎駿ワールド全開という印象を受けました。

なお、タイトルの「君たちはどう生きるか」は、宮崎駿がかつて強い印象を受けたという吉野源三郎の同名小説に由来するものだそうで、劇中の中盤、眞人が机に積み上げた本の中にあった1冊「君たちはどう生きるか」が、亡き母が7~8年前に自分のために贈ってくれたものであることに偶然に気づいて読み始め、涙しながら読み進めるシーンが出てきますし、物語のラストでも、引越しをすることになった眞人がその本を自分の鞄に入れる形で出てきます。私自身は小説の方は読んでいませんが、小説で描かれた内容と重なり合う部分もおそらくあるのでしょう。