鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「罪の声」

先の週末にMOVIX柏の葉に行きました。

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朝早い8時台ですが、それなりの人出です。鬼滅の刃の賑わいがまだ続いているのでしょう。

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この日の上映スケジュール。鬼滅の刃は公開4週目に入っても13回の上映。これでも周辺の他のシネコンと比べるとかなり少ない回数だったようです。この週末も129万6,000人を動員して、累計で延べ1,500万人、興行収入は204億円を超えたとのこと、凄い勢いです。

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さて、私が観に来たのは「罪の声」(10月30日(金)公開)。

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上映は139+2席のシアター3。お客さんは10人ほどでした。公開2週目となるこの週末も、本作は観客動員ランキングで鬼滅の刃に次ぐ2位をキープしましたが、週末の動員数は8万人。鬼滅の刃はその15倍以上という圧倒的な差です。これくらい少ないと、他のお客さんとのソーシャルディスタンスも確保できて個人的にはありがたいのですが・・・

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(チラシの表裏)

1984年に大きく世間を騒がせた、初めての劇場型犯罪ともいえるグリコ・森永事件をモチーフにした塩田武士の同名小説を映画化した作品だそうで、監督は土井裕泰、脚本は野木亜紀子。テレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の演出と脚本を担当したコンビとのこと。

 

公式サイトの「物語」によれば、

 

35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件。食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件は、誘拐や身代金要求、そして毒物混入など数々の犯罪を繰り返す凶悪さと同時に、警察やマスコミまでも挑発し、世間の関心を引き続けた挙句に忽然と姿を消した謎の犯人グループによる、日本の犯罪史上類を見ない劇場型犯罪だった。
大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。
一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。
「俺の声だ―」
それは、あの未解決の大事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった!
やがて運命に導かれるように2人は出会い、ある大きな決断へと向かう。
「正義」とは何か?「罪」とは何か?
事件の深淵に潜む真実を追う新聞記者の阿久津と、脅迫テープに声を使用され、知らないうちに事件に関わってしまった俊也を含む3人の子どもたち。昭和・平成が幕を閉じ新時代が始まろうとしている今、35年の時を経て、それぞれの人生が激しく交錯し、衝撃の真相が明らかになる―

 

・・・というあらすじ。

小栗旬星野源のほかの主要キャストは、

  • 松重豊:大日新聞元社会部記者の水島洋介
  • 古舘寛治:大日新聞大阪本社の社会部事件担当デスクの鳥居雅夫
  • 市川実日子:俊也の妻・曽根亜美
  • 梶芽衣子:俊也の母・曽根真由美
  • 尾上寛之:俊也の父で真由美の夫・曽根光雄(の若い頃)
  • 火野正平:光雄をよく知るテーラーの河村和信
  • 宇崎竜童:光雄の兄で俊也の叔父・曽根達雄(の現在)
  • 阿部亮平:達雄と交友のあった元警察官・生島秀樹
  • 宇野祥平:秀樹の息子・生島聡一郎(の現在)
  • 篠原ゆき子:秀樹の妻で聡一郎の母・生島千代子
  • 原菜乃華:聡一郎の姉・生島望
  • 川口覚:若き日の達雄
  • 阿部純子:若き日の真由美
  • 橋本じゅん:小料理屋の板長

など。

 

原作の元となったグリコ・森永事件が起きた当時は、私はかなり子どもでしたが、衝撃的な事件として印象に残っています。劇中ではギンガと萬堂を主な標的にした「ギン萬事件」として描かれていますが、事件の大きなアウトラインは、実際の事件の展開に沿っているようで、当時似顔絵が大きく流布された「キツネ目の男」そっくりの人も出てきます(演じたのは水澤紳吾という俳優さんとのこと)。

実際の事件は時効も成立しており、その真相は闇の中に消えていくことになるのでしょうけれど、本作では、事件で使われた子どもの声に着目した独自の視点から、物語を編み上げていきます。

冒頭から観客を引き込んで、最初はそれぞれ事件の謎に挑んでいた阿久津と曽根俊也の流れがあるきっかけで合流し、少しずつ謎が解けていく展開は見事。

犯人たちの会合や事件後に生島一家が過ごす建設会社の寮での暮らしぶりなどのシーンは、35年ほど前にしてはだいぶ時代がかった描写に映りましたが、全体の印象を損ねるほどの問題ではなく、謎解きをメインにしながらも、心を打つエピソードも盛り込まれ、本編142分という上映時間の長さを感じさせない作品になっていました。このあたり、脚本や演出が巧みなのだろうと思いました。