キネマ旬報シアターに行きました。
この週のラインナップ。
この日観たのは、「草の響き」(10月8日(金)公開)。この映画館では11月13日(土)からの上映です。
上映はこの映画館で一番大きい160席のスクリーン1。お客さんは15人ほど、この映画館では、緊急事態宣言が解除された後も、1席ずつ間隔を開けての販売が継続されていますが、それにしてもちょっと寂しい感じ。
チラシの表裏。
別のチラシの表裏。
チラシの中見開き。
函館シネマアイリス25周年記念作品として、佐藤泰志が自律神経失調症を患い、療法として始めたランニング経験をもとに書いた短編小説を原作に、舞台を函館に移して映画化した作品で、監督:斎藤久志、脚本:加瀬仁美などの主要スタッフ。
公式サイトのストーリーによれば、
工藤和雄(東出昌大)は、昔からの友人で今は高校の英語教師として働く佐久間研二(大東駿介)に連れられ、病院の精神科へやってくる。和雄は東京で出版社に勤めていたが、徐々に精神のバランスを崩し、妻の工藤純子(奈緒)と共に故郷の函館に帰ってきたばかりだった。精神科で医師の宇野(室井滋)と面談した和雄は、自律神経失調症だと診断され、運動療法として毎日ランニングをするように指示される。
札幌から函館へ引っ越してきた小泉彰(Kaya)は、スケボーで街を走っていく。転校したばかりで、学校ではどこか孤立気味の彰は、同じバスケ部に所属する同級生から、夏になったら海水浴場の近くにある巨大な岩から海へダイビングしてみないかと誘われる。誘いを了承したものの実はカナヅチの彰は、市民プールへ練習しにでかけ、そこで見事な泳ぎをする高田弘斗(林裕太)と出会う。弘斗は以前中学でいじめに遭い、不登校になった経験があるという。弘斗は、泳ぎを教える代わりに自分にスケボーを教えてほしいと頼む。弘斗の姉、恵美(三根有葵)も加わり、3人は人工島「緑の島」の広場で遊ぶようになる。
医師の指示通り、和雄は仕事をしばらく休み、毎日同じ場所を走り始める。少しずつ距離を伸ばしていく和雄だが、走る以外は何もできず、家事をすることも、純子を気遣うこともできない。函館山のロープウェイで案内スタッフとして働く純子は、黙々と走る夫と、愛犬ニコとともにどうにか生活を続けていた。東京出身の純子には、夫とその両親以外、函館には頼れる人が誰もいない。
広場で花火をする彰たち。その周囲を走る和雄に気づき、彰と弘斗は追いかけるように走り出す。すぐに脱落してしまう弘斗をよそに、彰は必死で和雄と並んで走り続ける。この日を境に、3人は時々一緒に走るようになる...。
・・・というあらすじ。
和雄のエピソードと彰のエピソードが交代に描かれます。途中までは和雄の過去の回想シーンなのだろうと信じ込んでいましたが、中盤になってようやく名前が違うことに気づき、一緒に走るシーンでようやく物語の構造を理解できました。
作品の雰囲気は良かったのですが、ちょっと中途半端な印象を受けました。メンタルにダメージを負った主人公が走り続ける中で少しずつ癒えていく物語なのだろうと思って観ると、彰のエピソードをここまで掘り下げる必要はなかったように思いますし、和雄と彰たちの交流がメインだとすると、その部分の掘り下げが足りない感じ。